ヒタ・リー、60歳を迎え「あと60年必要」?

 ブラジルの元祖ロックンロール娘ことヒタ・リー。60歳を迎え、ムタンチスのメイン・ヴォーカルとしてデビューしてから、もう既に40年もプロの音楽家としてキャリアがある。60歳を迎えたことについて、こんな風にユーモラスにコメントしている。

「複雑な気持ちだわ。私の頭の中にある半分のことを実現するのに、後60年必要だわ」

 1月20の聖セバスチャンの日には、コパカバーナ海岸での特大無料コンサートにも出演する。このコンサートには、夫であるホベルト・ヂ・カルヴァーリョと息子のベト・リーも同じステージに上がり、代表曲を惜しみなく披露していれる予定だ。また、07年を迎えるためのサンパウロの年越しイベントに出演した際には、200万人の観衆を前に「やりたいことは、騒ぎたいことよ!」と叫んでいた。リタ・リーは、1947年12月31日、サンパウロ生まれであり、60歳の誕生日を200万人のパウリスタ(サンパウロっ子)とともに祝い、幸福な一瞬であっただろう。

 5月には、ヒタ・リーのキャリアを追った3枚組のDVDボックスセットも発売される。これは、昨年全12巻が発売されたシコ・ブアルキを追ったドキュメンタリー作品と同シリーズの作品だ。シコの作品の方も丁寧に作られた作品だっただけに、期待していいだろう。

「明日の朝食のことも考えずに生きてきたのに、もう60歳になったなんて……ステージの上で死ねたら、詩的でしょうね。」

 シコ、カエターノ、マリア・ベターニア等々、昨年も60歳を超えたアーティストたちが大活躍したブラジル音楽界。60歳がアーティストとしての通過点でしかないなんて、なんて素敵なことなんでしょう!(H)

ラティーナ - 2007/1/17