ダウンロードのDVD保存が可能に-映画業界が新技術を承認

 オンラインで購入した映画をDVDに保存するにあたっての課題を解決する新しい技術とライセンシング契約を、大手映画製作会社が承認した。

 AP通信によると、ソニック・ソリューションズが開発した「Qフリックス」というシステムは、コンピュータや小売店のキオスクなどで焼き付けたDVDを、その後コピーできないようにデジタルロックする。

 この技術は、「コンテント・スクランブリング・システム(CSS)」と呼ばれている。大手映画会社のほか、テレビネットワーク、その他のコンテンツ制作企業らが支持しており、現行の映画DVDなどでは標準として使われている。DVDプレーヤには、このロックを解除するキーが組み込まれているため、DVDを再生することができる。

 これまで、ムービーリンクやシネマナウ、Amazon.comの「アンボックス」といったダウンロード販売サービスでは、CSSを用いることができずにいた。映画業界が、海賊版の蔓延を恐れたためだ。シネマナウでは、CSSに代わる技術を実験的に用いてきたが、使用したタイトル数は限られており、また、再生にあたって問題が生じるというクレームもユーザーから上がっていた。

 Qフリックスの技術は、映画業界が承認したコピー防止システムとなる。ソニックでは、技術開発とCSSのライセンス契約修正の協議に、これまで3年をかけてきた。

 「ソニックによるQフリックス開発のような努力が行われることによって、業界のニーズが満たされつつあることに満足している」と、ワーナー・ブラザーズのクリス・クックソン最高技術責任者(CEO)は書面で述べた。

 Qフリックスの採用をすでに表明している会社には、ディスクメーカーのバーバティム(Verbatim)、ムービーリンク(Movielink)、ビデオ・オン・デマンドを提供するアキンボ・システムズ(Akimbo Systems)、ドラッグストアのウォルグリーンなどが含まれている。

 映画業界では今後、ダウンロード販売の適正価格を見きわめていく必要に迫られる。また、ウォルマートなどいくつかの小売店では、独自のダウンロード・サービスを導入し、店舗にキオスクを設置する計画も検討している。
USFL.COM - 2007/1/6